鰹から、鰹節へ
鰹節特有の風味・香味を生み出す重要な工程になります。ナラ、クヌギ、カシなどの堅木の薪を燃やし,熱で保存食として適した水分含有量まで乾燥・殺菌させます。煙は香味を付けると同時に、煙中のフェノール物質を付着・浸透させることにより、抗酸化力が得られます。つまり焙乾は、殺菌・香味つけ・品質保持など重要な働きがあります。ここで焙乾工程はセイロを移動させながら、数週間繰り返されます。焙乾という乾燥方式には、直火型焙乾方式と間接型焙乾方式があります。
焙乾という乾燥方式
直火型焙乾方式(急造庫式焙乾)
室全体が焙乾庫になっていて、火床は地下にあり、自然対流で熱や煙を送り込みます。1階以上の階に、節を並べて重ねた「せいろ」を並べます。焙乾は繰り返し何回も行います。焙乾回数の少ない節は下の階へ。回数を重ねた節は上階へと上げていきます。最終的に15~16回の焙乾を行います。この方式では、煙と熱が良くブレンドされ、燻臭が強い節が出来上がります。中平商店はこちらの方式です。
間接型焙乾方式(焼津式焙乾)
室全体が焙乾庫になっていていますが、火床は側面にあり、熱と煙をためる室になっている。そして、ファンで強制的に熱や煙を送ります。こちらも焙乾の回数が少ない節は火に近いところに置きます。そして、順に入れ替えていきます。最終的に10~14回の焙乾を行います。この方式で作ると、燻臭が弱く、マイルドな節が出来上がります。